ママットジャン・ヤスン博士による講演会が開催されました -

令和６年（２０２４年）６月２９日（土）、新宿T-spaceⅡにて、カナダのトンプソン・リバース大学工学部の準教授、ママットジャン・ヤスン博士 (Dr. Mamatjan Yasin)による講演会が開催されました。当日は、財団の理事や監事、会員、賛助会員のほか、在日ウイグル人コミュニティの皆さんや子供たちなど、総勢30名が参加しました。

最初に、当基金の理事よりNPO法人JUアカデミー基金の紹介と活動内容について説明がありました。次に、ママトジャン・ヤスン博士の職場や研究内容が紹介されました。続いて、ママトジャン・ヤスン博士が講演を行いました。最初に、ママトジャン・ヤスン博士より今回の講演会を開催していただいたJUアカデミー財団へのお礼の言葉がありました。

ママトジャン・ヤスン博士は、海外におけるウイグル文化や言語の保護活動に取り組んでおり、奥様と共同で運営しているオンラインのウイグル語学校「Mengutech Education Center」や「Bilimhumarlar Online Classes」についても紹介されました。そして、オンラインで授業を行っている理由やそのメリットについても説明されました。

メングテック教育センターホームページ
https://mengutech.com

メングテック教育センターYouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/@mengutech

Bilimhumarlarオンライン授業YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/@bilimhumarlardershanisi3358

ママトジャン・ヤスン博士は、メングテック教育センター設立の背景や奥様との設立の経緯、現在の学生の数などについて詳しく紹介されました。この学校では、世界中から集まった先生たちと協力し、ウイグル語のアルファベットクラスや三つの言語文学クラスなど、幅広いカリキュラムを提供しています。Bilimhumarlarオンライン授業では、教師たちは、言語、宗教、母語、精神的および身体的健康、そして英語を教えています。メングテック教育センターでは、Java、Python、C++などのプログラミング言語やロボット工学の授業も教えています。ロボット工学の授業は10歳以上が必須で、7～8歳の子供や10歳以上の子供も参加し、さまざまなプロジェクトに取り組んでいます。ママトジャン・ヤスン博士は、私たちの言語、ウイグルアイデンティティ、宗教を守るためにできることは何でもすることが最大の目標であると述べました。

また、ママトジャン・ヤスン博士は授業を行う途中で出会った課題や、それをどう乗り越えたのかについても紹介しました。両親から遵守していただくようにきちんと規律を立てて授業を行っていることを説明しました。授業方法としては、ユニークで特別な方法を取り入れており、よく質問し、子どもたちが興味を持つようにリードし、Kahoot楽しい方法でパズルをすることで授業の効率を上げたと述べました。また、夏休みでも無料でクラスを行ってきたと述べました。

続いて、ママトジャン・ヤスン博士は、自身の学歴や学術研究、そしてその成功体験について紹介しました。また、成長期に影響を与えた要因や、特に子供を励まし、勇気づける親の役割がとても重要であることを強調しました。その中で、継続的な自己啓発と自己信頼の重要性についても詳しく述べました。

続いて、カナダの市民権を得る方法について説明がありました。カナダの市民権を得るにはいくつかの道があり、一つはPR（Permanent Residence）、つまり永住権を取得する方法です。もう一つはスキル・イミグラントと呼ばれるもので、さまざまな種類があります。市民権を手に入れるまでには時間がかかり、5年のうち3年はカナダに滞在する必要があることが紹介されました。ポスドクを申請してカナダに行くことで、この方法でもカナダの市民権を得ることが可能であると述べました。